鍼灸は「女性のミカタ」、もっと広く知ってほしい

鍼灸は「女性のミカタ」、
もっと広く知ってほしい

清水洋二先生(本科教員)

鍼灸は婦人科系疾患の治療に役立つ

 清水洋二先生は、中和の教員として働きながら、並行して藤田保健衛生大学(現藤田医科大学)の婦人科教室に通い、無月経・無排卵の治療について研究していた。排卵障害のある人のほとんどに耐糖能異常(糖尿病の手前のような症状)があることを突き止め、論文も発表している。
 「うちの学生に協力してもらい調べたところ、基礎体温が、保健体育の教科書みたいにきれいな曲線をしている女性はほぼいないことにまず驚きました。排卵が上手くいっていなかったんです、皆さん20代で中肉中背なのに。そこで中でも特に、基礎体温の乱れがひどい人たちを集めて、ブドウ糖試験をしたところ、尿糖値が糖尿の前の前ぐらいの段階、つまり耐糖能異常であることが分かりました。おそらく、インシュリンの効きが悪い体質なのでしょう」

 なぜ、耐糖能異常があると排卵障害が起こるのか。そこを突き止めるのは西洋医学の医師に任せることにし、鍼灸師である清水先生は、そうした症状に対する鍼灸の効果を調べてみた。 「無排卵で、耐糖能異常がある7人の女性に対して、インシュリンの効きがよくなる鍼をやって、その変化を観察しました。7人は決して多くない母数ですが、それでもなんと7人中6人が排卵するようになり、基礎体温もきれいに出るようになりました。さらに、尿糖も正常値に持っていくことができました。鍼灸は婦人科系疾患の治療に役立つという手応えを得ました」

「女性のミカタ」を2019年学会のテーマに

 女性の悩みに対する鍼灸の効果に自信を持った清水先生は、自らが実行委員長を務める「第68回(公社)全日本鍼灸学会学術大会 愛知大会」(2019年5月開催)のテーマを「女性のミカタ」と定めることを提案し、採択された。
 結果、同大会では、「女性の半生と月経」「寒熱理論と温熱生理学に基づく鍼灸治療」
 「性差から見た膠原病への理解」「女性の睡眠医療を知る」「皮膚のミカタ」「女性を悩ます慢性疼痛のミステリー」「女性泌尿器疾患へのアプローチ」「かけがえのない記憶の再興戦略 ~鍼灸の挑戦~」「正しい知識を学び、妊婦の味方になろう!」など、実に幅広く、興味深い内容がプレゼンテーションされることになった。
 「統計では、鍼灸院患者の8割ぐらいは女性です。今まであまりフォーカスされてこなかったことのほうが不思議です。更年期障害、慢性的な痛み、睡眠障害、排尿障害、美容など、鍼灸は、女性のミカタとして貢献できる素晴らしい医術です。この大会を機に、鍼灸師はもとより、社会全体の皆さんに、鍼灸の力を知っていただきたいと思っています」

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